研究会の概要
目的
平衡状態からかけ離れた状態を扱う「非平衡系の物理」は,分野を問わず,素粒子・原子核物理から宇宙物理,物性物理までのあらゆる分野で現れるものの,現在でも統一的な理解が進んでおらず,未知のフロンティアが広がっています.
近年では,実験・観測技術や数値シミュレーションの精度が向上したことにより,非平衡現象に関する多くの興味深い実験・観測結果が蓄積され,その理論もそれぞれの分野で目覚ましく発展してきています.
しかしながら,これらの理論の発展はあくまで分野ごとに独立のものであり,「非平衡系の物理」という共通項があるのにも関わらず,分野を超えた横のつながりが希薄な状況にありました.
本研究会は,各階層における非平衡系の物理学に関連した理論・実験の進展を概観し,分野の枠を超えた議論や交流を通じることで,非平衡系における普遍性に関して広い知見を深めるために企画されました.
そのことにより「非平衡系の物理」の分野を超えた普遍的な理解を目指す研究に関して,さらなる発展の足掛かりを築くことを目的としています.
(本研究会は,基研研究会の一環として行われています.
京都大学 基礎物理学研究所と
RIKEN iTHEMSの補助を受けて開催されています. )
テーマ
非平衡系の物理全般(非平衡統計力学,冷却原子系,量子開放系,輸送現象,宇宙論への応用,原子核・ハドロン物理学への応用etc.)
日程
- 2018年 12月 26日(水)   9:55 - 18:00
- 2018年 12月 27日(木)   9:30 - 18:00
- 2018年 12月 28日(金)   9:30 - 16:20
場所
京都市左京区北白川追分町 京都大学基礎物理学研究所・湯川記念館・パナソニック国際交流ホール
(会場へのアクセス方法は,こちらをご参照ください)
招待講演
- 笠原 裕一 (京都大):量子スピン液体におけるマヨラナ量子化と半整数熱量子ホール効果
- 川口 喬吾 (理研):生体系における非平衡現象の理論と実験
- 佐々 真一 (京都大):熱伝導下における相共存に関する理論
- 佐藤 正寛 (茨城大):物質中の周期外場駆動現象に対する理論研究の進展
- 白石 直人 (慶応大):熱力学的系におけるスピードの原理限界
- 関澤 一之 (新潟大):原子核反応における非平衡過程の理論 (tentative)
- 西田 祐介 (東工大):非相対論的な系の共形対称性とその流体力学への応用
- 野海 俊文 (神戸大):加速膨張宇宙と非平衡系の場の理論
- 花田 政範 (サウサンプトン大):非平衡系の場の理論と量子重力理論
- 福嶋 健二 (東京大):クォーク・グルーオン・プラズマ中の粒子生成と熱化の諸問題
一般講演
議論の時間を十分確保するために,一般講演は少数の口頭発表とポスター発表(+ポスターショートトーク)とする予定です.
一般講演を希望される方は,参加登録ページにおいて発表の申し込みを行ってください.
参加登録の締め切りは10月26日(金)を予定していますので,お早めのご登録をお願いいたします.
世話人
- 本郷 優 (理研 iTHEMS)
- 日高 義将 (理研 仁科センター・理研 iTHEMS)
- 齊藤 圭司 (慶應義塾大学)